英語は10000時間でモノになる ~ハードワークで挫折しない「日本語断ち」の実践法~ 橋本 大也 (著)40代の英語の勉強法の一例を知ることができる。 語学学習は、母国語を排してその言語に向き合う覚悟が必要だとわかる。 著者が試した英語学習のための様々なツールを知ることができる。 英語に近道はない、と教えてくれる。 おすすめ度:🌟🌟🌟🌟
私は10年間外資系企業で働いている。留学経験はなく、大学受験英語のみで、実践から英語を身に着けてきた。英語でメールを書く際は、問題を感じない。しかし、流暢に話せるレベルではない。
そろそろ、自分の英語レベルをブレイクスルーさせるときが来たと感じる。仕事でも、英語力がないと、これ以上の昇給を望めない職位だ。
そこで、この本を手に取った。著者が40代ということに惹かれたこと、10000時間というタイトルで、いわゆる「英語なんて、こうすれば楽々マスターできるよ」というアピールではないことが伝わる本だったことが、チョイスの理由だ。
この本は、何度も英語学習に挫折してきた著者が、45歳になって「人生最後と思って」、自己流の英語学習法を挑戦した、6年間の記録だ。著者は、その自己流の方法により、結果的に、TOEIC600点が1年半後に960点になり、洋書を1年で140冊も読めるようになったそうだ。本書では、その英語学習法を紹介している。
著者はまず、下記のように、留学経験ナシの私を安心させてくれる。
インプットとアウトプットの比率はインプット(読む、聴く)が 9、アウトプットが 1(書く、話す)くらいでいいと思います。これなら国内でも十分に可能です。
ただし、それならば徹底的にインプット強化に挑戦するように、私に覚悟を迫る。生活から日本語を排除し、英語に接する時間を増やす「脳内留学」が大事だと主張する。著者が勧めるのは、多読、そして速読要約だ。流れは、下記のとおり。
①未読で興味がある内容の洋書を用意する ② 1時間でその本を要約する(日本語で結構です) ③その本を人に勧めるスピーチをする。
さらに語彙のドーピング、いわゆる「ボキャビル」はマストだということ。
大学を出て社会人になると、平均で 5000語程度を知っていることになります。しかし、 5000語だと、英語の一般向けの本を辞書なしで読むのは困難です。第 2章でも触れましたが、その段階では英語の教材だとか、英語圏の子ども向けの本、多読教材が合っています。半年くらい単語の暗記をやると、 8000〜 9000語レベルに到達します。ここで辞書を使えば一般的な本が読めるようになります。
20000語あれば、ネイティブも難しいと考える本を読めます。プロの通訳者、翻訳者と同じです。
ボキャビルのコツは「覚えようとしないこと」。これは覚えていなくて嫌になることを避けるためだそうだ。繰り返す回数を増やしているうちに覚えるということ。これはAtsueigoのAtsuさんも仰っていることだ。集中暗記は劇薬、と強調されている。
著者は、机に向かった勉強はしていないそうだ。上達具合が把握できず、英語学習に心が折れそうになるとき、この言葉を思い出そうと思う。